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SPECIAL INTERVIEW 今月の喜多宝人〜会員企業紹介〜 (平成19年9月号)

社員の生活の糧となる会社へ

狩野 勝彦 さん
有限会社 狩野造園
代表取締役 狩野 勝彦 さん

宮城県黒川郡大衡村大衡字座府71-1
TEL 022-345-4250


■ アメリカへ行きたい

もともと農業を営んでいまして、父が農閑期に近くの造園会社で仕事をするようになり独立し農業の傍ら昭和58年造園業をスタートしました。その当時、「長男は家業を継ぐもの」という考えがまだ根強く、私の兄弟は上下女で男のスペアーがないものですから、進学した県農業短大卒業後は当然家業を継がなければならないと考えていました。でも、両親がまだ若く家族全員健康だったのをいいことに「どうせ継ぐならもう少し世間を見てから」と同級生がせっせと就職活動する中考えていたところ、恩師から農業研修生派米事業の紹介を受けました。これはアメリカに渡り学科研修6ヶ月・現場実習18ヶ月・渡航から帰国までの2年間に必要な全ての費用を現場実習作業に支払われる報酬で賄う制度で、親のすねを一切かじらず渡米できることから「これだ」と思い大反対を押し切り応募しました。

都道府県の選考、青森での1ヶ月研修、岩手の先輩の造園会社で3ヶ月研修を経てアメリカへ渡り農業・園芸・造園の勉強と労働を2年間経験をさせていただきました。
専門分野の現場実習で勤めたのは造園会社でした。

ボス(経営者)はオランダからの移民で研修生の心情をよく理解してくれる方でした。仕事は厳しく「仕事は自分で考え、就業時間内は余力がなくなるまでエキサイトして仕事しなさい」といつも言ってました。また、こんなこともありました。日本人的考えでしょうか?終業後に次の日の段取りをしていたら「早く帰りなさい。何故時間内にしない?時間外に君が働けば私は君にエキストラマネー払わなければいけなくなるだろう」とアメリカらしい合理主義と感じました。(笑)

■ 人との出会いが

アメリカで造園に興味を持った私は、アメリカに移住した同業の日本人の方に「将来これで飯を食うなら」と紹介を受け、帰国後すぐ東京の造園会社に就職しました。就職した会社は民間・個人からの仕事が多く、親方(経営者・師匠)は職人を絵で描いたような方で、アメリカとは全然違いました。

例えば、労働時間は朝から日が暮れるまで、休日は雨の日だけ、一ヶ月ぶっ通しは当たり前でした。また突然「やってみろ」という事で竹垣を作り、仕上がりが悪いために「こんなもん人に見せられるか」とその場で破壊され始めからやり直しなんてこともありました。早い人で2日も続かず辞めるようなところでしたので最初は悔しい・辛い思いの連続でしたが徐々に仕事が出来、親方も伸び具合に応じた対応をしてくれるようになると「面白い・知りたい・覚えたい・やりたい」の気持ちだけでした。朝早く出勤するとその日の段取りを一番先に教えてもらえることから毎日早く出勤した思い出があります。親方からは先輩達との関係から「もう少し遅く来てくれないか」といわれるくらいでしたよ(笑)

東京での3年間の修業を終え、家に戻り仕事をするようになるわけですが、農閑期に個人宅の造園をする程度でしたので、当時農閑期で来る2人の職人さんと父プラス私となるとすぐ仕事がなくなりました。農業と造園を考えるとどちらも同じ植物を扱うため仕事の適期がどうしても重なると考えた私は、農業を外部の方に委託し造園業を本業にしたいと話したところ「気が狂ったか」と親戚まで呼んでの説得会議となってしまいました。

しかし、アメリカへ行くための準備でお世話になった岩手の先輩の会社関連の方が仙台に転勤してまして、挨拶に伺ったところ、好景気だったのも幸いし長期造園工事の依頼をいただき父と親戚を説得し現在に至っています。今考えると本当に人との出会い、人脈は大切だと実感させられました。その方とは今でもお付き合いさせていただいています。

■ 他のプロから見られても

当社は公共2割、民間8割で仕事をいただいており、お客様の希望を伺いお客様に満足していただけるよう常に取り組んでおります。昔の庭師さんは自分の経験や庭はこうあるべきとの思いが強く、お客様の要望に沿わないケースもあるようです。当社では固執せずアドバイスすべき所はしながら、お客様の考えるイメージや要望を実現できるよう誠心誠意お手伝いできるよう仕事をしております。

手掛ける現場は自分たちの作品と意識し将来の姿をイメージし、他のプロから見ても良い仕事をしていると言われるような作品作りを社員一同努力しているところです。また、造園材料には植物が必ず関わってきます。その年の気候、季節により日々変化しております。現場が完成し納品したら終わりと考えず、担当社員に巡回させ御相談あれば即対応し、アフターサービスも含めお客様と良い信頼関係を築けるよう心がけております。

また、大企業では当たり前の事かも知れませんが、私は社長が病気入院などで長期不在になったとき会社が停止するようでは困ると考えています。そのような事態でも仕事が滞らないよう社員には経営の感覚を身に付けるよう話しをしております。そうすることで将来独立したい場合でも役に立ちますし、なによりも社員の生活の糧になるのは会社ですから財務も含めた感覚を知ることで一家の大黒柱である個々の社員が安心して、社長が不在でも働けるようにしたいからです。

■ 会社の規模にはこだわらず

今後は建設の一端を担うガラス・サッシだけでなくガラスをベースにしてお客様のお役に立てるよう間口を広くしていきたいですね。その意味でも人脈・地脈から紹介をいただけるよう信頼を築いていきたいと考えております。私自身地元の友人・知人とのお付き合いは欠かしません、時間がある限り出席しています。

法人会も同じで色々な仕事をしている方々との交流は本当に楽しいですね。新たな人間関係や自分の知らなかった色々な業界の状況など伺えますから青年部会に入っている常務(息子)にも時間の都合を付け積極的に参加するよう話しています。

これからの時代、お客様の要望にお応えするには一業種では対応が難しいですね。そんな時、異業種の方々とのつながりが、大きな解決策のヒントになると私は思っています。
学生の頃は軟式テニスや水泳部・吹奏楽部等に所属し他人より特段秀でたものはないが広く浅く体験しました。

ゴルフはサラリーマン時代の上司の命令で否応なしに始めさせられキャリアだけは40年になります。釣りも好きでカレイ釣りに5月から9月にかけ出かけますね、船に乗り海で釣りをすると仕事を忘れ気分転換には最高です。若い頃から友人から誘われたり勧められるとまずやってみるタイプでした。やらない前から考えることはしないで興味を持った物や勧められた物は積極的に経験しましたね。やることが大切と考え、合う、合わないは経験してから自分で判断すればいいと思っています。(笑い)