
SPECIAL INTERVIEW 今月の喜多宝人〜会員企業紹介〜 (平成20年6月号)
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私はロマンを求めて、新しい事に挑戦することが好きです。家族が生活していくため衣食住を確保できれば、そこから先はロマンを求めてもいいと考えています。例えばお金に余裕があっても一人の人が食べる量はあまり変わらないですから、贅沢を言わなければ一食、秋刀魚1本とご飯と味噌汁で大丈夫ですよね。最低限の収入は確保する必要があると思いますが、そこから先の上積みを求め挑戦していく考え方と姿勢、地域にない事業、新しい事業を試みることが好きです。
この考え方は祖父や母の生き方から影響を受けたことが多分にあります。祖父が農家の次男で育ち仙台市内の米屋で奉公し、戦前に製粉機を九州から取り寄せ発動機の設備投資をして宮城町や秋保町にお住まいの方々を対象に米屋を開業しました。祖父から聞いた話しでは「この地域で製粉機を導入しての米屋が無かったから」競業他社が無ければ商売は上手くいくことを子供ながらに感じ取っていたのかも知れません。米屋をやりながら終戦後は母が布団屋を始めました。真綿の布団はその当時大変貴重品でこの事業も同業者が地域にいなかったからです。
家業を手伝い高校を卒業して後を継いだわけですが、子供のころから、その様な環境で育ちましたので、住宅造成ブームの頃には砂利採取の仕事を2年間、コンビニエンスストアーも15年以上前から地域で、いち早く取り組みました。
現在の一般貸切旅客自動車運送・一般乗合旅客自動車運送事業を始める切っ掛けも、今から約30年前に地元消防団に所属していた私は消防団の旅行にバスレンタカーで行きました。バスを貸す事業は地域ではだれもやっていないし結婚式なども自宅からホテルや結婚式場で行う様になっていたことから、直感的にバスレンター事業は仕事になると感じました。
それから、バスを3台購入し駐車場兼事務所を準備して開業しました。しかし、タウンページの様な広告媒体が無かったため愛子に新しくバスレンタカー会社があることを知ってもらうために時間はかかりました。忘れもしない、始めたばかりの最低売上は月に1万円でした。バスも稼動していなかったためタイヤの内側に雀が巣をつくっていたぐらいです。そこで、時間をみては市内の同業他社を廻り、訪問される会社からは嫌がられましたが勉強をさせてもらいました。
今思えば時代も良かったのでしょうがバブル経済に乗り会社も順調に成長することができました。そこで、レンタカー事業から本格的にバス旅客運送事業に展開することにし、3年かけて独学で東北運輸局へ申請し免許取得しました。いまでは規制緩和により届出制度に変わりましたが、その当時は年間1回の免許申請許可をクリアーすることは大変難しい時代でした。その後、スクールバスや買い物バスの契約もいただき経営も安定させることができました。
平成15年に錦ヶ丘団地から仙台駅を結ぶ路線バス運行事業に取り組み宮城交通以来、新規路線バス会社として52年ぶりの参入で、始める時に多くの関係者から採算がとれないから止めた方がいいとの話しがありました。しかし、人生ロマンを求めて根っからの「あきんど」ですから、人がやっていない事へ積極的に取り組んだ次第で、お陰様で今では軌道に乗せることができました。
人生山あり谷ありですが、新規事業が必ず全て成功するものではありません、始める勇気も大切ですが止める判断と勇気はもっと大切です。私自身、新規事業に取り組むために自分で試算した金額の1.5倍の資金を準備してから望むよう考えています。平成19年に取り組んだ仙台エアポートリムジンバスも今年、止めましたが取り組みにあたり試算し準備してまいりました。東北の陸の玄関、仙台駅から空の玄関、仙台空港に自分の会社名の入ったバスを運行することは夢でした。
路線バスを運行する時は止めた方がいいとの話しが多くあり、仙台エアポートリムジンバスは成功するからとの話しが多かったわけですが結果として路線バスは成功しリムジンバスは事業撤退しました。
止めるときも関係者から、あと1年で採算ベースになるとの説得をいただきましたが、私自身の試算していた数字とはかけ離れていた数字でしたので勇気を持って決断しました。続けることも止めることも、それを決めるのは経営者自身の判断ですから責任があります。又、先を読むことは大変なことですが楽しいことでもあります。
私自身、経営者として言い聞かせていることがあります。取引先には毎月決まった日に支払いをする。決して支払いを遅れさせない。もう一つは取引先に無理を言わない取引先をいじめないことです。
会社が安定して経営できるのは社員はもちろんのこと、多くの取引先との信用により成り立っていると考えるからです。私たちの仕事はお客様の命を預かっている仕事ですので、私どもの会社と関わる全ての方々との信用と信頼関係が何より大切なことと考えています。