
経営者の情報源 北法人会ビジネスニュース(2008年8月号)
ブーズ・アレン・ハミルトンは独自に行った調査で、組織には7つのタイプがあるとハーバード・ビジネス・レビュー誌で発表しています。
これらは健全な組織のタイプで、中でも、「再起力型」が最も健全な組織だとしています。一貫性があり、一致団結して、変化に柔軟に対応するということがその理由。
これらは不健全な組織のタイプで「受動攻撃型組織」が全体の4分の1以上を占め、7つのタイプのうち最も高い比率を示しています。
「受動攻撃型」・・なにやら物々しいネーミングですが、どんな組織なのでしょう?
『一見したところ、職場は和気あいあいとした雰囲気で、表立った対立もなく、スムーズに意見の一致を見る。ところが、いざ実行する段になると、すでに合意した計画でもなかなか進まない。』
7つのタイプのうち、最も変化を受け入れにくい組織のタイプです。
こういった組織では、社長も胃が痛くなる毎日だと思います。最も危機感を持って経営の舵取りをしているのは会社のトップ、常に不安がつきまといます。例え業績が好調の時でさえ、社長は環境動向を考えるとそれだけで今後も存続していくことは容易でないと考えます。これは健全な危機感です。
ところが、組織も社長の考えにシンクロしていればいいのですが、そうでないケースがある。これが不健全な組織のタイプの典型例なのだと思います。
業績が伸び悩みをしている会社だけでなく、業績が順調に推移している会社にとっても、「危機感を組織に充満させておく」ことは極めて重要です。
自社の業績がよいのは、「自力」によるものか、「他力」によるものなのかを見極める必要があるのです。
もし現在の業績を「他力」の要素が占めているとしたら、この先の景気動向の影響が直撃します。外部環境の変化の影響を受けることは間違いありません。受動攻撃型組織に代表される「不健全な組織」ほどその傾向が高いのだと思います。
では、不健全タイプの組織が健全になるにはどうしたらいいのでしょうか?
不健全な組織に共通する4つの特徴に照らして、健全な組織になるための要件について考えてみたいと思います。
動機付け要因は、金銭的報酬だけではありません。社員の関心を引くものすべてが該当します。
例え“立派な“人事評価制度が会社にあっても、社員の動機づけに効果がなければ、その制度は無に等しいという認識がトップには必要です。
自らの役割がはっきりしていない。いったん決まったことに横槍が入る。これでは、組織のメンバーはやる気をなくし、次第に組織は空中分解してしまいます。
社長の支配力が強すぎて権限委譲が進まない場合があります。この場合は「責任」はそれと同じ大きさの「権限」によって裏打ちされることを理解する必要があります。
情報が部門間の垣根をこえて、社内を自由に流通しているかどうか。組織の関心の矢印の向きはどちらを向いているでしょうか。社外、それとも社内?顧客の事情より、自分(会社)の事情を優先する組織になっていないでしょうか、検証してみる必要があります。
ポジションについたとたんに仕事をしなくなる管理職、あなたの会社にいませんか?共通の目的や価値観が会社に見あたらず、組織図が社内の力学に影響を与えていることはないかについても考えてみる必要があります。価値観とは、ある事柄に対して、どのような価値を認めるかについての考え方です。社内では共通の価値観が一致団結して行動を起こすための源泉になります。共有すべき価値観は明確でしょうか?価値観を浸透させる取り組みはおこなわれているでしょうか?いかがでしたか?もしかしたらあなたの会社でも思い当たる話があったかもしれません。
もっとも、社長は不健全な組織を望んでいるわけはありませんが、ご自身が良かれと思ってとっている行動や、何気なく無意識に行っている行動パターンが、結果として不健全な組織に向かわせている場合もあります。ご自身の行動を振り返ってみる余裕が欲しいものです。
さて、冒頭に登場した受動攻撃型組織。あなたの会社では、反対意見があってもそれを隠して、笑顔で賛成しているようなことはないと自身を持っていえるでしょうか?不健全な組織は、はじめから存在しているわけではありません。健全な組織が不健全な組織に変わってしまう理由がそこにあるだけです。あなたは、その動きを意識しているでしょうか?
大場コンサルティングオフィス 中小企業診断士 大場 宣英
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